次に、ずっと待たせていた人物の家に向かうことにした。

足取りが軽くなる。

「ふっふふ~ん♪」と、鼻歌を歌い出す。


──十弥、今どうしてるかなぁ。

劇的に変わってたりして。

太った十弥を想像したり、顔が大人になった十弥を想像してみたり。

笑いがこみ上げてきた。

それじゃマズいと、頬をつねる。


「そんなに百面相して、楽しいですか?夏音サン」


後ろから声がして、振り返る。

そこには──


あの長い髪をバッサリ切って、さっぱりショートになった、咲希が立っていた。

スラッとしていて、モデルみたい……