「は?!何ソレ」
友達のメールに返事をしている途中だった。
「そんなん聞いてないし」
お父さん、何言ってんの?
冗談でしょ?
そうだ、
そうに決まってんだ。
あたしはお父さんの顔を見つめた。
「だから、転勤することになったから、一緒に転勤先に引っ越すぞ」
いつも、ホワホワした人なのに、珍しく真剣な声。
超重要な、転勤話なんだろう。
──そう、これを断ったら、次がない。みたいな。
何言ってんだ、あたし。
探偵漫画の読み過ぎかな。
待って。
頭が追いついてないのに、何故だか心は信じられないくらい落ち着いてる。
あたしの夢なんじゃない?これ。