†☆†
「ねぇ、十弥、結局、鈴の音もサンタの声も聞こえなかったね……」
走ってきた道を、トボトボと歩く。
お母さんに連絡をして、少し時間をもらったから、
特別急がなきゃいけないってわけではない。
「だな。……でも、大丈夫だろ」
十弥が空を見上げながら言った。
──そう、あのあと、公園で鈴の音とサンタの声を聞くことはなかったのだ。
シャンシャンとも、リンリンとも。
メリークリスマス!とも、メリクリ!とも、フォッ、フォッ、フォッとも。
微かにも、何も聞こえなかった。
もしかしたら、聞き逃したのかもしれない。
というか、本当にサンタの声聞こえるの?!とも、思うのだか……
でも、あの素敵なクリスマスツリーが見れたこと。
十弥とキス出来たこと。
永遠の誓いが出来たこと。
それだけで、充分だった。


