十弥の姿がはっきり見えると、あたしは、勢いよく抱きついた。
勢いがよすぎて、少し後ろにうろたえたが、
十弥の厚いしっかりした胸板が、受け止め、大きな手があたしを包み込んだ。
「セト?」
「あっ!ごめっ」
「……あ!オレも、ごめん!」
自分のやっていることが恥ずかしくなり、バッと十弥から離れる。
同時に、十弥も慌てて手を退ける。
顔を上げると、十弥の顔は赤鼻のトナカイの鼻以上に、真っ赤になっていた。
真っ赤な顔は、あたしも同じ。
あたしも顔が熱い。
こんな寒い冬なのに、顔だけ寒くない。
よっぽど、真っ赤なのだろう。
あたしと十弥は、赤くなった顔を見合わせ、ハハッと笑い合った。


