それから、毎日といってもいいほど、咲希や友達と出かけた。

プリクラとったり、カラオケ行ったり、洋服買いに行ったり……

女子会も別の日に行って、

充実した毎日を送っていた。


それと共に、家の荷物がどんどんダンボールに吸い込まれていく。


引っ越し前日。

──クリスマスイブの日には、もう家は空っぽだった。

何もかも、なくなっていた。

小さい頃の落書きや壁に貼っていたシール、十弥と喧嘩してドアに付けた傷。

綺麗さっぱり。

最初っから誰も住んでいないみたいに……


「行って来ます」


悲しいくらい、家に響いたあたしの声。

家具とかないからかな、びっくりするぐらい声が響いて、
明日で引っ越すということを、改めて実感した。