「あのね、このまえ、テレビでみたんだけど……」
「なにを?」
十弥の声と顔は真剣で、あたしも真剣な声になる。
「あのね……
せいなるよるに、
なないろにひかるクリスマスツリーのまえでキスして、
すずのねと、サンタのこえがきこえたら、
えいえんにむすばれるんだって!」
「え?」
言っていることの意味が、理解できなくて、十弥に聞き返した。
「だーかーらー、
クリスマスの日に、
にじいろみたいなクリスマスツリーのまえでちゅーして、
シャンシャンっていうおとと、サンタクロースのこえがきこえたら、
ずーっと、いっしょにいられるんだって!」
やっと、十弥が言っていることの意味を理解できたあたしは、声を潜め、
「ほんと?!」
と、十弥の顔を見る。
十弥は、うんうん、と首を縦に振り、ピースをして、一呼吸おくと、
「大人になったら、キスしような!」
って、くしゃっとした笑顔を作った。
そして、指切りげんまんのリズムに合わせ、小指と小指を絡ませる。