《ピロリン~♪ピロリン~♪》

自分の荷物をまとめていると、メールの着信音がなった。


「誰だろ?こんな時間に」


時計の針は九時半を差していて、こんな時間帯にメールが来ることは珍しい。

携帯に手を伸ばすと、オレンジのテディベアが揺れる。

咲希と、おそろい──

それだけで、頬が緩んだ。

本当は、十弥とおそろいの物を買いたかったんだけど……

十弥とあたしがどっちも好きそうなストラップが見つからなかった。

もうちょっと気合い入れて探せばよかった。と、後悔している。

が、もう過ぎたこと。

まだ引っ越しは先だから、その間に探せばいい。とプラスに考えることにした。