ショッピングモールの中に入ると、外とは比べものにならないくらい、暖かかった。


ショッピングモールの天井に、ここにもまた、サンタクロースがいた。

今度は、笑顔でつり下げられている。


「何買う?」


コートを脱ぎながら、ショッピングモールを見渡す咲希。


クリスマスに色づけられた、建物内を見て、少し困った顔をしている。

あたしのこと、心配してくれてるのかな……?

だとしたら嬉しい。


「とりあえず、雑貨」


あたしもコートを脱ぎながら、クリスマスを嫌になるほど肌で感じなから、答えた。


「よし、じゃあ行くか」


咲希は、ため息をついてるあたしの手を引っ張りながら、近くの雑貨店に歩いていった。