『クリスマス大セール!』とプリントしてあるアドバルーン、
建物の外見には、物凄い大きさのサンタクロースが顔をのぞかせている。

街はクリスマス一色だ。


「はぁ~……」

「な~に、ため息ついてんの。折角のお出かけ何だから」

「だけどさー」


今日は咲希と電車を乗り継ぎ、気分転換のため、ショッピングモールに来ている。

でも、さっきからため息の嵐。

咲希を呆れさせている。


「今日は、楽しむためなんでしょ?一端忘れなきゃ」


バシンッと、あたしの背中を叩いた。

叩かれたところがジンジンと痛い。


「止めて、怪力サン」

「怪力サン言うなっ」


また、バシンッと叩かれる。


「痛いって!分かった分かったから、怪力サンって言わないから!」


手を挙げて降参のポーズ。

咲希は腕を組み、「分かれば宜しい」と、満足そうに言うのだった。