「あ~分かんない、今年はその日忙しいかもだから……」


嘘は言ってないよ。

嘘は。

泣きそうなのを我慢しながら、喉の奥から必死に声を絞り出した。


「えー、マジか。ま、でも、忙しいなら仕方ねェーか」

「うん、ごめんね」


作り笑いをして、

必死に笑顔を作って、

謝った。


そして、十弥から走って逃げた。

じゃないと、絶対に泣いちゃうから……


あたし、ちゃんと笑えてたかな?