はやす声が大分落ち着いた頃、十弥はあたしを廊下に連れて行った。
あの時みたいに。
「で、クリスマスどうすんの?やっぱし、毎年恒例?」
十弥が、わざわざクリスマスのことを聞いてくれることが嬉しかった。
嬉しくて、嬉しくて、浮かれて、首を縦に振ろうとした。
──でも、
「もう、手続きは済んである。丁度、クリスマスの日に引っ越しだ」
昨日、お父さんに言われた一言。
それで、無理矢理現実に引き戻された。
あたしは、約束を果たせない──
あたしは、十弥とクリスマスを過ごせない──
何ともいえない、悲しみが襲ってきた。
目の奥が熱い。
やばい、泣きそう。


