クリスマスの夜、あたしは毎年恒例で、幼なじみの十弥一家とあたしの家族で、過ごしていた。

場所は、十弥の家。


十弥とは、生まれた時から一緒で……

というのは、あたし達のお母さんが大学の同級生で。

あたしのお母さんとお父さんの出会いの話をするとややこしくなって、長くなるから話すのはやめとく。


「ね!夏音ちゃん!ちょっとこっちきて!」

「十弥くんなに?」


幼い十弥は、あたしを部屋の隅まで引っ張っていき、声を潜めて言った。