Sweet Lover

「今から家族旅行に行く親子にしか見えないな」

「意地悪なんだから」

私は頬を膨らませる。

「でも、7月に帰ってきた時には、どこからどう見ても、sweet loverにしか見えなくなってるんだろうな」

「――当たり前だろ?
 身体つきだってきっと、今とは違ってるよ」

響哉さんが口を挟む。

いくら、周りに人が少ないからって、昼間の空港でそういうことを堂々と言うのは止めてもらえます?

「じゃあ、その変貌ぶりを楽しみに残り少ない教職生活を味わうとするか」

気をつけて、というと、先生は踵を返して行ってしまった。

「――もう、響哉さんっ」