Sweet Lover

「じゃあ、俺も煙草吸ってこようっと」

――いつも、ここで吸ってるじゃないですかっ

「留守番よろしく」

と、言い捨てて、佐伯先生は保健室から出て行った。

「――ほら、孤立無援」

響哉さんは形の良い瞳を細めて、笑みを浮かべる。

狭いベッドの上で組み敷かれた私は、どうしていいか分からずに瞳を閉じた。

ふわりと、頬を響哉さんの手が撫でる。

「冗談――。
 ゴメン、悪かった。
 怖がらせたかったわけじゃない」

私はそんなに怯えた顔をしていたのか――。
響哉さんは私の身体を起こして抱き寄せた。

「マーサが出て行ってしばらくしてから、あの女から電話があって」

――あの女――

それは、母親である響さんのことに違いなかった。