波音の回廊

 ……。


 「……今日の話も、面白かったな」


 話が一段落した時、再度夜空を見上げた。


 空気が現代の何倍も綺麗なので、流れ星が絶え間なく行き交う。


 「この島でも、流れ星を三回見つけたら、願い事は叶うって言われている?」


 「三回? たったの三回だったら、全ての願いが叶っちゃうじゃないか。三百回の間違いだよ」


 「さ、三百回!?」


 私は驚いた。


 「ちょっと粘れば可能だよ。ほら今だって」


 夜空の星が、全て流れ去ってしまうんじゃないかと思われるくらいに。


 頻繁に星が夜空を横切る。


 じっと見続ければ、一時間くらいで可能かも?


 というわけで、三百個の流れ星を目にするまで。


 私たちはその場で粘ることにした。


 もちろん、不幸な伝説を回避できるように祈りたかった。