波音の回廊

 「この前瑠璃が話してくれた、星座になった親子熊の話、面白かった。他にもないのか?」


 「ああ、あの話……」


 ギリシア神話の最高神ゼウス。


 彼は浮気っぽい性格で。


 妻のヘラは、夫の愛人に嫉妬のしっ放しだった。


 そんなある日、愛人の一人がゼウスの子を身ごもったのを知り。


 怒りのあまり呪いをかけ、愛人を大きな雌熊に変えてしまった。


 二十年後、森で成長した息子と再会。


 息子はそれが母親だとは知らず、弓を構える。


 見かねたゼウスは、息子も熊の姿に変えて、ヘラの呪いから逃れさせようと星座にしてしまった。


 ところがヘラの呪いは解けず、親子熊は北半球では地平線の下に沈むことなく、北天の夜空をくるくると回り続けている。


 (おおくま座=北斗七星を含む、こぐま座=北極星を含む)


*地域によっては、他の伝承が存在する可能性があります。