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「ほら、また空を星が横切った」
清廉が空を指差す。
あれから数日後の、満月が過ぎた夜。
私たちは庭園に隣接した、展望台に来ていた。
展望台の外は、坂が芝生に覆われている。
そこに二人で座り、星を眺めていた。
都市の光害も、沖合いのイカ釣り船のまばゆい電灯も存在しないこの時代。
辺りは一面星だらけだった。
六等星以下の星まで、見ることができそうなくらい。
星が多すぎて、星座早見盤で見たような星座の形が分からない。
月はまだ東の空で、天頂付近にはあいも変わらず「恐怖の大王」が寝そべっていた。
私はそれをハレー彗星だと知っているので、怖くも何ともなかったし。
清廉も不吉の前兆だとはみなしていない様子で、平然と彗星の下で過ごしていた。
「ほら、また空を星が横切った」
清廉が空を指差す。
あれから数日後の、満月が過ぎた夜。
私たちは庭園に隣接した、展望台に来ていた。
展望台の外は、坂が芝生に覆われている。
そこに二人で座り、星を眺めていた。
都市の光害も、沖合いのイカ釣り船のまばゆい電灯も存在しないこの時代。
辺りは一面星だらけだった。
六等星以下の星まで、見ることができそうなくらい。
星が多すぎて、星座早見盤で見たような星座の形が分からない。
月はまだ東の空で、天頂付近にはあいも変わらず「恐怖の大王」が寝そべっていた。
私はそれをハレー彗星だと知っているので、怖くも何ともなかったし。
清廉も不吉の前兆だとはみなしていない様子で、平然と彗星の下で過ごしていた。



