波音の回廊

 「七重、清廉を……」


 ガバッ!


 今、ここで当主を葬ってしまわなければ、計画にほころびが生じる。


 それを恐れた七重は、そのまま当主の顔に布を押し付けた。


 「う……」


 当主は苦しくてもがこうとするが、まだ体内に毒が残っていて、思い通りにいかない。


 抵抗が徐々に弱まっていく。


 このままゆっくりと、窒息死に至るだろう……。


 安心した七重が、若干手の力を弱めた時。


 バーン!


 背後で扉が、勢いよく開かれた。


 医師団か看護師が戻ってきたのかと思い、七重はぎょっとした。


 だがそこに居たのは……。


 「清、廉……?」