波音の回廊

 「瑠璃」


 夜も更けてきた。


 空には今夜もほうき星が横たわる。


 「一緒に寝よう」


 「えっ」


 私の表情には、明らかに戸惑いの色が浮かんでいたらしい。


 「心配するな。何もしないから。ただ添い寝してくれるだけでいい」


 「……」


 「もう、孤独な一人の夜には戻りたくない」


 その夜。


 私は子供をあやす母親のように、清廉を寝かしつけた。


 疲労と気苦労からか、清廉は程なく眠りに落ちた。


 相当心細いのだ。


 企みにより、予想だにしなかった濡れ衣を着せられ。


 不安定な立場に追いやられた。


 この世界では無力な私ができることは、不安を取り除いてあげることくらい。


 そして願う。


 このような穏かな時間が、少しでも長く続きますように……と。