波音の回廊

 ……。


 「えっ、謹慎!?」


 夕方、清廉の館で私は衝撃の報告を受けた。


 「どうしてそんな嘘がまかり通るの……?」


 「父上が私よりあの女を信じている以上、どうすることもできない」


 「だって清廉、何もしていないのに。七重さまには不倫をやめるように忠告した、それだけなんでしょう?」


 「自信がないんだ!」


 清廉は急に大声を出した。


 「昨日はかなり酔っていて……。前後の記憶が入り乱れている……」


 「だって清廉が酒を浴びるように飲み始めたのは、七重さまの元から戻ってきてからだし。私そばにいたから、証人になれる!」


 「だがその前七重と何を話したのか、どう振る舞ったのか、記憶が曖昧で」


 「清廉……」


 私も二日酔いで、頭がちょっと痛い。


 その何倍も飲んでいた清廉は、もっと酔いがひどいのかもしれない。


 「よりにもよって、こんな時に酩酊してしまったとは。酒には強いはずなのに……」


 清廉も口惜しそうにつぶやいている。