波音の回廊

 「無理よ、だって私は……」


 そこまで言って、私は口をふさいだ。


 私は、違う時代に生まれた人間。


 いつか元の時代に、還らなければならなくなる可能性もある。


 「何か不都合があるのか?」


 「そうじゃないけれど……」


 さすがにそれは言えない。


 「それに私は、まだ17だから」


 違う理由を述べた。


 「17ならば十分に適齢期だ。私の生みの母が父の元に嫁いだのも、15の時だったし」


 「15!?」


 そうだ、歴史上では。


 女の子は13とか14で結婚するのは、当たり前のことだったんだ。


 「結婚から一年後に、私が生まれた」


 ということは私の年でもうすでに、清廉の母上は母親になっていたってこと。


 そして確か、清廉が幼い頃に亡くなっているはずだから。


 まだ二十歳前後だったんだ……。