私は、 見えなくなったのと同時に、 体の力が抜けたのか、 倒れ込んでしまった。 彼は、そんな私を抱きかかえて… 「とりあえず、うちに帰ろう。」 とだけ言って、家に向かった。 私は、 うんとも、嫌だとも言わなかった。 家に着くまでの間、 2人とも一言も話さなかった。 話したのは、 家に着いて、 ひと段落した時のことだったんだ。