真宵は肩から力が抜けたように息を吐き出し、綺麗に微笑んだ。

「…そうだね。…俺が悪かった。

ふふっ…
まさか勇武に諭されるなんて…。

これは帰って来たら是非、叔父さんに聞かせなきゃ。」

「ああ、全くだ…。

…私ともあろう者が、
そんな基本的な事を失念していたとはな…。」

彼方先生も笑ってる…。

「日向。」

凛がオレの肩をポン!と軽く叩く。

「大丈夫だ。
そんな顔するな。

…早く終わらせて帰って、皆で甘い物、食おう。」

腕の中にカイリの柔らかい重さを感じながら…。

オレは思いっきりニカッ!!!って笑った。

「そうだな!!
帰ったら、秋の新作チョコ巡りだっ!!!」

もう大丈夫。

オレは自分の中の2つの魂に語りかける。

レオン、
お前の騎士の力、オレに名一杯貸してくれ。

そして、ヒナタ…。

さあ歌を…。

今こそオレに、
夜の虹を呼び出す歌を教えてくれ…。

温かい力がオレの中で溢れ、
髪と目の色が変わっていく感じが鏡も見ていないのに、ハッキリと分かった。

周りで、
皆も次々と騎士の姿に変化している。

それを確認し、
オレは瞳を閉じて、肺一杯に空気を吸い込んだ。