虹色の騎士団

…結局…

病院の中にカイリは居なかった……。

ようやく誠さんが病院に着いて…
オレ達は一旦家に戻る事になった。

帰る前に…ほんの少しだけでも真宵に会いたい………

だけど…。

「…真宵は…今の姿を一番日向君に見せたくないはずだ…。

すまんが堪えてくれ…」

そう言われて…断られてしまった…。

全員が家のリビングに集まり、眠れない夜を過ごす……。

そうして誰も一言も喋らないまま、

一体、どの位の時間が過ぎたんだろう……。

「……お茶でも飲みましょう……。」

突然、兄貴がフラリ…と立ち上がり台所に入っていく。

その背中を目で追った後…、
ふ…とリビングを見回したオレは、

彼方先生が居ないのに気付いた。

…そう言えば、随分前に廊下の方に歩いていったような……。