その光景は、 いやに ゆっくりと流れた。 炎の矢が、リンの肩に突き刺さる…。 鋭い痛みに思わず よろけて、 泥の中に膝をついたリンの前に レオンが飛び出す。 ドスッ!という鈍い音が何回も響き渡る…。 音に合わせるように、 背中を大きく震わせながら、 レオンは、 リンの前から一歩たりとも動こうとはしなかった。 古い物語にある、 自分の身を呈して 友を守りきった勇者のように………。