虹色の騎士団

「日向。像の顔をよく見てごらん。」

言われて、まじまじと見つめる…。

柔らかそうな長い髪の毛に、覚えのあるフワフワの衣装…。

そして、この顔…

大きなつり目に、ちょっとふっくら気味の唇…。

客観的に見るのも妙な感じなんだけど…。

それは毎朝、鏡で見慣れていたオレの顔…。

つまり…

「これ…ヒナタの…。」

「…正解。」

真宵が微笑む。

「父は、騎士の力を開放してから、ヒナタの夢を見るようになった…。

夢の中のヒナタは、日の光を身体中に浴びながら輝く虹の前で、それは美しい声で歌っていたそうだよ…。

…その姿に父は、いつも魅せられていた…。

…俺を生んで直ぐに亡くなった母が、この事を知ったら…。

きっと焼きもちをやくだろうね…。」

像を、そっ…と手に取り、オレに手渡す。

真宵は…お母さんも亡くしてたのか…。

…何となく、そうなのかな…とは思っていたけど…。

「日向が父の作ったこの像を見てくれて…

父は、あちらの世界で
きっと凄く喜んでいると思うよ。

ふふっ…。もしかしたら今頃、母に自慢して怒らせているかもね…。」