「そういえばさ、結愛なんで神田の追っかけになったんだっけか?」
〝神田と同じクラスなったことないでしょ″と付け足す仁美
そうなんです・・・現実2年生は見ての通り隣のクラスっ
1年生の時なんてもっと酷くてA組の神田くんにF組のあたし。端と端。
バスケ部の神田くんに帰宅部のあたし。
中学一緒ってオチもない。
そんな接点のない私達がどーやって知り合ったのかって話だよね。
いや、そもそも、接点のない女子を恋に落としちゃう辺り神田くん罪深いよねっ
うん、カッコいいのが罪って事だねっ恐ろしい〜
「まあ、話は長くなるんだけどアレは冬が近付き肌寒くなり始めた11月・・・」
「結愛、そーゆー回想系いらないんだけど」
出来上がった生地をタラタラと紙型に流し込みながらあしらう仁美
「えーなんでー!こーゆー雰囲気が大切なんだよぉ!」
私も負け時と紙型に生地を流し込む
「もっと簡潔的に頼むよ、簡潔的に」
んもぉ〜自分から聞いといてワガママなんだからあ〜
流し込んだ紙型を仁美と一緒にオーブンに入れて、焼き上がりを待つ

