いつもなら秀則を睨んで黙らせるところだけど、形振りかまっちゃいられねぇ!




じーんと痛みの残る足を抑えながら結愛先輩の元へと駆け寄る





「葵くん大丈夫??スッゴイ音してたけど・・・」




少しアタフタしながら俺を心配してくれる結愛先輩





「だいじょぶです・・・」





あー・・・本当この人癒される・・・




なんでこんなにも可愛いんだ






「それなら良いんだけどっ。あ、これ!」




そう言って差し出されたのは先日俺が貸した漫画





「貸してくれてありがとー!!すっごく面白かったよ♪」





無邪気な笑みの結愛先輩





これはやばいっっ






この人が、自分だけのものであったらいいのに・・・





「・・・結愛先輩」





「うん?」





「あ・・・いや。



なんでもない、です」






一瞬血迷った〝好きです″の一言





・・・あ、ぶねぇ・・・




「そお?じゃ、移動教室だからあたし行くね!」





そう言って教室を後にした結愛先輩





あー俺・・・どーしよっ






「・・・はぁ」



ポツリとため息をついて自分の席へと戻る