あっという間にその日の放課後





神田くんと流輝と夏音ちゃんが部活へ行くのを見送り、仁美は彼氏とデートするということで先に教室を後にした




柊くんは他の友達とまだ教室でくっちゃべってる



私が焦らずゆっくり帰り支度をしていると、相変わらずの明るさで〝結愛先輩″っと呼び掛けられた




スクールバックを持って龍ヶ崎くんの元へ歩む





「先輩本当に待っててくれたんすね」




「え、だって貴方が〝待ってて″って・・・」





「いや、割れながらめちゃくちゃだと思ったんで、先輩が帰っちゃうの覚悟の上でした」





そういう彼は何だかシュンとしているように見えてちょっと心配してしまう




とりあえず、年下の癖に私より高い身長の龍ヶ崎くんの隣を並ぶようにして昇降口に向けて歩く





「ねえ、龍ヶ崎くんって・・・友達・・・・」





「おー葵ー!」





昇降口に着いて私の言葉を遮るように誰かの声が被る





その声に軽く手を挙げ〝おー!″とにこやかに返事する龍ヶ崎くん




これは・・・・お友達さん・・・?