「カップケーキもらえたし」



神田くんを想って作ったものなのに




「誕生日祝って貰ったし」




そんなの、友達として・・・当たり前





「一緒に旅行いけたし」




神田くんに告白なんてしてるんだよ、あたし





「文化祭、楽しかった。

お前、可愛かったし」




「・・・ッ」




「理由はともあれ、こうして一週間毎日一緒に帰れたしなっ」




そう言って笑顔の流輝を見ていられなくて



「あたし、最低で・・・ごめッん」




「違う。結愛が悪いんじゃない。辞めようと思えばいくらでもタイミングはあった」




「じゃあッ」




「それでも、結愛を好きでいるより諦める方が辛かったんだよ」




「・・・ッ」




「勝手に色々ごめん。」



そう言ってあたしの手を引いて歩く流輝




「りゅぅき・・・好きになってくれッて、ありがとッ」




その精一杯の一言と共にあたしの家の前に着いた




流輝は



「泣いてくれて、ありがとう」



そう一言残して来た道を戻る





居ても立ってもいられなくなって



「流輝っ!また、明日ッ」



流輝の背に向けて手を振り声を掛ける



流輝は一瞬振り向いてまた帰路を歩く





家へ入ると声を出して泣いた




何もかも気にせず




玄関で泣いた




泣き崩れた





友達の大切さ


恋愛の怖さ


人の優しさ



流輝の想い



過去の自分への後悔




全てを知った



17歳の秋