「俺がコイツと出会った時にはもう既に心の中にはアイツが居ました。
それでもいいと思って今も生きてます。
神田を好きな結愛でも俺は・・・好きで居たかったんです」
私には勿体無いほどの優しい言葉を
流輝は淡々と恭子先輩に告げる
止まらない
止まらない
止められない
溢れ出て止まらない涙
せめて邪魔になりたくないと、声を殺して止まらない涙を流し続ける
「だから、すみません。神田にはこの事黙ってて下さい。」
「「?!!」」
驚く私達を他所に頭を下げる流輝
「・・・雪翔くんは馬鹿じゃないわ。あの子はもう気付いてる流輝の気持ちに」
「ーッ?!」
神田くんがっ・・・?
「そうかもしれません。それでも、言葉にしないだけでも違うと思いますので」
「なんで、。なんでそこまでするのよ・・・」
「結愛の事が好きだからです。」
頬を伝う涙雫は滝のように流れ出て
流輝の凛とした姿がぼやけるほどに
「帰る。」
「送って行きます。」
「いいわ。」
〝でも・・・″と引き止める流輝を突き放すようにして来た道を戻り去る恭子先輩

