私はだんだん直人くんのことが
気になっていた。

変なイメージが自分の中で
ついたのもあったけれど、
授業中よく目が合うからだ。

1回も話したことがないのに
よく目があるからどう反応すればいいか
わからずなんだか不思議な気持ちでいた。



ある日私は新しく友達になった
夏海に直人くんのことを話した。

なんでも直人くんと夏海は
同じ中学だったらしい。

部活も部員とマネージャーという関係で
比較的一緒にいることが多い二人。



すると後日、

「あいつも目合うって言ってたよ。
なんかうちらの中学で一緒だった子に
似てて、むしろ見てるらしい」

と夏海が言ってきた。



「むしろ見てるってなにそれ」

と私と夏海は笑いあった。




私が直人くんのことをいつもキレてる
バナナの子とイメージ付けしたように、
きっと彼の中でそうイメージされて
いるのだろうと思った。