「てか、やっぱ制服で連れ込んだのはまずかったかな」
「いい加減にして。私はさっさと終わらせたいの。じらしたいなら他でして」
私は立ち上がると睨みつけるようにして言った。
「俺、最初からするつもりなんてないよ」
「は?」
「こうでもしなきゃ春香ちゃん話してくれないでしょ?」
ここは密室だ。
逃げられない。
それがわかってて、ここに入ったの?
話をするために?
「安心して、必要なら本当にお金は渡すから」
「は?それであんたになんの得があるの?」
それに、別にお金が欲しいわけじゃない。
「ね、じゃあさ。もし本当にしたとして、後には何が残るの?」
「え?」
「ただ、虚しさが残るだけなんじゃないの?俺にも、春香ちゃんにも」
「・・・」
「春香ちゃんの価値をたった数万で決めちゃだめだよ」
だったらなんなの。
虚しさが残るからなんだって言うの。


