「・・・っ」
尻餅をついて、座り込んだ私に覆いかぶさるような状況になる悠斗。
まっすぐと私の瞳を見つめる悠斗の瞳から、どうしてか目が離せなくなる。
早く終わらせてしまいたいのに、なにもできなくなってしまった。
悠斗は、私の手を取るとどういうわけかブラウスの袖を通していく。
そして一つ一つ丁寧にボタンを付けていく。
なんで?
「な、なに。自分で脱がせたいとか面倒くさいこと言うわけ?」
私の言葉にも反応せずボタンを最後までつけ終わるとすくっと立ち上がった。
私は、意図が掴めず悠斗を見上げる。
「なんか飲む?ってコーヒーしかないけど。コーヒーはダメか、高校生だもんな」
さっきまでの雰囲気は消え彼の持つ飄々とした空気に変わる。
いったい、なんなの?
私は早く終わらせたいのよ。
雰囲気なんかさっきので十分作れたはずでしょう?


