そんな話をしているうちに、電車は降りる駅に着いた。
昔、教えてもらった場所に向かう。
一度も言ったことのない場所だから迷いながらだけど。
「ここ・・・」
そして見つけた健太のお墓。
そこには、綺麗な花が供えられていた。
「ここに、健太が眠ってるんだな」
「うん・・・」
涙が、頬を濡らす。
初めて、ここに来れた。
ようやく、健太の死を受け入れられた気がした。
「初めまして。大石悠斗です」
悠斗がお墓に向かって自己紹介をする。
なんだか、本当に健太と悠斗が向かい合っているように見えた。
―初めまして。土谷健太です
そんな声が聞こえた気がした。


