私の歩幅と同じような足音に、少しだけ違和感を感じた。
考えすぎかもしれないけど・・・。
―春香?
「え?」
―どうかした?
「う、ううん・・・」
気のせいだよね。
きっと同じ方向に家があるんだ。
そう思いながらも、少しだけ早歩きになる。
コツ・・コツ・・コツ・・
それと同じように速くなる後ろの足音。
え・・・?
なんで?
「悠斗・・・どうしよう」
―え?どうした?
「気のせいかもしれないけど・・・誰かにつけられてる・・・」
―え?今どこ!?
「繁華街でて、線路沿いを歩いてる・・・」
電話口で焦った声。
心配させて、言わなければよかった。
言ったところで、悠斗の家は遠いし、もう終電は終わってる。
ここに来れるわけもないのに。
ただ心配をかけただけなんて。


