池内に押し出されるようにして渋々お手洗いに向かった。 どんなにこの血を洗い流しても、気持ちがスッキリすることはない。 俺は、どうしてあの時春香の側を離れてしまったんだろう。 女の子の部屋に遅くまでいるのはと余計なことを考えた。 バカだ。 そんな事より大事なことがあったのに。 「春香・・・」 どうか無事でいて。 どうか。どうか。 お願い。 もう一度、俺に悪態でもなんでもついてよ。 きつい言葉でもなんでもいい。 こんなバカな俺にもう一度喝を入れて。