春香のアパートに戻る。
階段を駆け上がり、玄関の扉をそっと開けた。
中は暗闇。
もしかしたらもう眠ってしまったのかもしれない。
そっと中にはいる。
起こしてしまわないように。
そっと側にいて、起きたら訳を話そう。
側にいさせてほしいと頼んでみよう。
俺がそうしたいのだと。
靴を脱ぎ、手探りで進んでいく。
確か、この先に電気があったはずだ。
「電機、つけるよ・・・」
そう小さく呟いて、そっと電気をつけた。
カチカチと音を立てて電気がつく。
明るさに少しずつ目が慣れていく・・・。
そこで目に移った光景に、息をのんだ。
地面に広がる赤。
横たわる、小さな体。


