｢春ちゃん。今週働き過ぎじゃない？そりゃあ時間は少ないにしたって学校だってあるんだから、毎日来なくてもいいのよ？」

｢ありがとうございます。でも、大丈夫だから」

｢でも、あなたの本業は学業なんだからね」

｢わかってる」




江梨子さんが客足の途絶えた時私にそう声をかけた。
働いていたほうが気が紛れていいのだ。

ここにいたら、嫌な思いも頭を巡るけど。


それでも、一人でいたら暗闇に押しつぶされそうになる。


真っ黒な暗闇に追いかけられてしまいには飲み込まれてしまう。






｢あまり無理しないでね。こんな仕事手伝わせてるだけでも私、申し訳ないと思ってるんだから」

｢どうして？私が頼み込んだんだから。江梨子さんが申し訳ないと思うことなんてないでしょ」

｢そりゃあそうかもしれないけど。例えばよ例えば、私の開いた店がスナックじゃなくてカフェとかそういうのだったらそんなふうに考えなくても良かったのかなって思うじゃないの」





江梨子さんがそんなこと、気にしなくてもいいのに。
私は、気にしてなんてない。

嫌いな男たち相手の仕事だけど。
私は今のところ関わることはないし。

仕事だと割り切れば、別になんだってない。