仕事を終え、街を歩く。
飲み屋街のここには酔っぱらいが多い。
ドレスを着た女性と絡み合いながら歩くおじさん。
デレデレした顔で、キャバクラに入っていく男の人。
輝くネオンの明かりも、飛び交う鼻にかかる声も。
横を過ぎる男の人の酒臭い口臭も。
すべてが嫌い。
そんな自分が、もっと嫌いだ。
生きる希望なんてないと、絶望しかないのだと感じながらも。
生き続けている自分。
その場にとどまり続けている自分。
どうして私じゃなかったんだろう。
死ぬべきだったのは、私の方だったんじゃないか。
健太には夢もあった、希望もあった輝く未来もあった。
私には、何もなかったのに。


