「幸せそうな、彼女の側が。あなたの居場所です」
「は?」
「運命とか、永遠とか、そんな愛の囁きとか。そう言う普通の幸せのある世界があなたには似合ってます」
なにが、言いたい。
まるで自分がいる世界がそうじゃないみたいな。
春香ちゃんがいる世界だってそうじゃないのか。
「最初から、私なんかと関わらなければよかったんです。そうすれば、知らなくてもよかった汚いもの知らずに、起きずに済んだあんな事故だって・・・」
「春香ちゃん・・・!」
「私は、人を不幸にしかしませんから!」
再び向けた視線が春香ちゃんをとらえる。
その瞳からは、感情はうかがい知ることができない。
事故が、春香ちゃんのせいなわけないじゃん。
もし、あの時助けずにあそこに倒れてたのが春香ちゃんだったほうが、俺は自分を許せなかった。
「事故は、偶然だ。春香ちゃんのせいじゃない。それに、俺は不幸じゃない」
「でも!あなたは事故に遭ったじゃないですか!来なくてもいいこんな場所に来てるじゃないですか!」
「それが不幸だって決めつけんなよ!俺が不幸かどうかは、俺が決める!」
それが誰のせいかなんて。
そんなこと、どうだっていいんだ。
事故に遭ったからって不幸なわけじゃない。
俺は、生きてる。
生きてるんだから。


