S-exchenge

回らない頭を無理にかき回すようにして、俺は必死に言葉を探した。


「がーっ!
どうして、こーゆー時に気の効いたセリフのひとつやふたつ、さらさらって出てこねぇかなっ!」


あまりにも気のきいた言葉をひょいっと探し出せない自分に苛ついて、俺は悪態をついた。


その俺の大声にビクリとさらに身体をすくませた可愛い子ちゃんは、何度か手を開いたり閉じたりを繰り返して。


そして何かを決めたようにその手をぎゅっと握りしめると、俺を見上げて言った。


「ぼ、僕、そんなに教室で無理しているように見える?」


決死の表情ってのはこんな表情の事を言うんだろうなって。


その時の俺は何故かそんな事を強く思ってしまった。