夜蝶と書いて[みるく]と読む


適当に話すと芳野さんは17歳でも働けるキャバクラを紹介してくれた。

『場所とか分かんなかったら連絡して?』

「うん。ありがと」

それだけ話すと電話を切り、乱れた髪とヨレてしまっている化粧を直した。


夜に興味が無かったわけじゃなかった。

ただ歳を気にしたり彼氏を気にしたりして避けてきた道だった。

あたしは身支度を済ませ家を出ると、しっかりとした足取りでお店へ向かう。


芳野さんから紹介してもらったお店は家から電車に乗って10分ぐらいのお店だった。