花言葉から始まる恋


  で、来たのはいいんだ。だけど…

  「きゃーーっ!!葵様よ!素敵ー!」

  うるさい。うざい。香水くさい。ケバい。

  「私、葵様のファンです!」
  「好きです!」

  ほんとうぜえ。早くあいつのとこに行きてぇのに。

 葵『クラス見たいの。どいてもらえるか?』
  「はいっ!」

  やっと見れた。えー、あいつは…B組か。俺は…Aかよ!とりあえず、早く戻って知らせるか。
 
 葵『おい。』
 姫「はい?」
 葵『見てきた。お前、俺と違うクラスだった。』
 姫「いや、それだけじゃわからないんですけど?」
 葵『あぁ、お前はB組だった。ちなみに俺はAだから。』
 姫「いや、ちなみに情報いらないんですけど…?」
 葵『あ?何か言ったか?』
 姫「なんでもないです!ありがとうございました。さよなら!」
 葵『お、おい!』
  
  もう行っちまった…。もうちょい話しとけば良かった。ってか、晴斗遅い。どこ行ってんだ?

 晴「おーい、葵ー!」
 葵『遅い。』
 晴「わりーな、遅くなって。」
 葵『めんどくさかった。』
 晴「ほんとごめん!で、俺見つけちゃったんだよ!天使、いや女神?」
 葵『…』

  晴斗、きっと向こうで頭ぶつけたな。頭がおかしい。もともとか?
 
 晴「頭はおかしくない。」
 葵『え、なんで?』
 晴「やっぱりそう思ってたんだな。葵の考えてることはだいたいわかるんだよ!」
 葵『で、なんなんだよ。』
 晴「朝の、俺が惚れた女の子!また会って、助けたの!名前も聞けてまじラッキー!」
 葵『人助け?お前が?』
 晴「なんだよ。」
 葵『助けられたの間違いだろ?』
 晴「いや、助けた!」
 葵『あっそ。』
 晴「なんだよその反応!そう言うお前は?進展あり?」
 葵『クラス見てきてやった。』
 晴「おー、やるなー!」
 葵『うるせー。で、クラスは?』
 晴「俺もお前もA!良かったなー、また一緒だぞー!嬉しいだろ?」
 葵『べつに。』
 晴「またまたー、照れちゃってー!」
 葵『うぜえ。早く教室行くぞ。』
 晴「おう!」
 

 晴斗と同じクラスか。良かった…のか?

 晴「いくぞー?」
 葵『わかった。』

 そして俺たちは教室へ向かった。