初恋story 

少し時間かけすぎたかな。
荷物を持ち、私は玄関を出た。

一人で歩く通学路はすごく久しぶりだ。
たまには一人もいいかも…なんてね。寂しさを紛らわすためについた嘘はため息と一緒にどこかへ消えてしまった。
「美虹、さん?ですか?」
突然後ろから声をかけられ、ビクッとする。
脈の打つスピードがだんだん早くなっていく。
ゆっくり後ろを振り返る。
そこにいたのは…
「亮羽くん…」
その姿を見た瞬間、私の心臓はピークにまで達した。
どうしようどうしよう。
うまく言葉が出ない。
困惑する私とは逆に、亮羽くんは普通に話し出す。
「髪型、今日はいつもと違いますね」
なんて、ニコニコしながら言う。
自然と二人で歩き出し、一緒に登校する。
「あ、うん…」
そんな事にも気づいてくれる亮羽くん。“いつも見てくれてるのかな”なんて少し期待しちゃう。