「……あっ、阿久津……!」
「俺の名前、言ってみて」
「……は? 阿久津?」
「下の」
「え……?」
なんだこの状況。恥ずかしすぎる……!
阿久津は余裕に薄ら笑ってるし、対称的に私はパニクって真っ赤だし。
そういえば前も、こんな風に、ではないけれど、ベッドの上に座ってたことがあったな。
ちょうど1カ月前だったっけ? あの時は酷い目にあった。
だっていきなり背中押すんだもん。前触れなくベッドから突き落とされたもん。
あれ地味に痛かった。
――そういえばあの時、次同じことしたら乱暴するから、みたいなこと言ってなかったっけ、阿久津。
「……ハッ!」
「……は?」
――ま、まさか今がそのときなんじゃ……!?
いや絶対そうだ、乱暴されるんだ私。だってこれ以上顎を上向きにさせられたら首折れそうだし。
私のこと見下ろす阿久津めちゃくちゃ楽しそうだし。ほんとに病人かよって思うほどには生き生きとしてるし。
最初の弱々しい態度の彼は何処へ。

