「……どっ、どうしたの……?」
変な空気。になった気がする。いや、割と今日は常にいつもとは少し違う雰囲気だった。
波打つように訪れたこの空気の正体がなんなのか、私には判断つかない。
落ち着け落ち着け落ち着け私。
「いい加減さ、察することも覚えようよ」
「そ、そうしたいのはやまやまなのですが……!」
「まあそれも含めて辻野だけど」
阿久津は私を分かってる。
高校に入ってから知り合ったから、お互いを知りつくした幼馴染なんかじゃないけれど、それなりに親しい友達ではあるはずだからだ。
――けど。私は阿久津が分からない。
私の頬に置かれていた彼の手は、輪郭をなぞるように動いて、顎を軽く上に向かせられた。
こちょばしい、ていうか何これめちゃくちゃ恥ずかしい!
カーっと顔が熱くなって、両手で阿久津の腕に触れる。
私の顎から彼の手を外そうとするけれど力がうまく入らない上に背筋はゾクゾクと妙な感覚がして、頭がクラクラした。

