「……あ」
「……」
「や、やあ偶然」
「何してるんですか海斗さん」
漫画か! とツッコミをいれたくなることに、扉の前にはまさに海斗さんが紙コップを持って膝立ちしている。
いつからいたんだこの人。
「……栄美ちゃん」
「……はい」
「俺に弟が熱あることバラしたら接吻できるんだってね、羨ましいぞこの!」
まじでいつからいたんだこのブラコン……!
ばっちり会話盗聴済みじゃないですか……!
ていうか羨ましいってなに。反省してるそぶりくらい見せてください!
かーっと顔が火が出るかと思うくらい熱くなったところで、いつの間にか私の背後に立っていた阿久津がすごい顔で海斗さんを睨んでいた。
「熱大丈夫か? お兄ちゃんが添い寝してやろうか!? おかゆアーンしてやろうかアーン!」
「……辻野、ポテチ食う度に欠片全部歯茎に刺さる呪いの呪文知らない?」
「そんなへぼい呪文知らないよ!」
大分怒っていらっしゃる……!

