そこまで思考したところで、端っこに更に小さく書かれた文字に気付く。
“お返しにこの中に一つくそまずい飴を紛れ込ませておきました。気をつけてください。”
「阿久津……」
「なに」
「……やっぱさっきの謝罪なし」
「へえ」
にやりと、私に背を向けている阿久津がほくそ笑んでいる気配がした。
気をつけてくださいって……!
くそまずい飴ってなんなんだろう。何余計なもの仕込んでるんだろうこの人。
お返しっていうか仕返しじゃん! 敬語にすれば許されると思ったなら大間違いである。
だけど更にその下に、それまでと打って変わった雑な文字で、“でもありがと。”なんて言葉を見つけてしまった。
嫌味とも受け取れるぶっきらぼうな文字だけど、不覚にも胸の奥がキュンと鳴る。
「……阿久津」
「しつこい」
「やっぱりお互いさまってことにしようか」
「意味わかんないよね」
瓶を鞄にしまった後でなんだかおかしくなって頬が緩んでしまい、自分気持ち悪いなと自覚しつつ、阿久津の横になっているベッドにそっと近づいた。

