クリスマスのお礼のつもりだったから、むしろ何もなくていいとさえ思っていたし。
それが予想外にオシャレな瓶に詰められた可愛いキャンディーのプレゼントだったから戸惑ってしまうのは当たり前、というか。
「……あ、ありがとう」
「いえいえ」
「嬉しい」
自然と頬が緩んで、素直な気持ちを伝える。
引きだしを閉めた阿久津は、またふらふら立ち歩くと再びベッドに寝転んだ。
――阿久津は律儀だ。あと、やっぱりセンスが良い。
私のツボを押さえていると思う。こういうのって、見てるだけでも幸せになれるし。
見返りを求めていなかったとはいえ、やっぱり何かもらえると嬉しいよなあ。
「今食べてもいい?」
「勝手にすれば」
「阿久津も食べる?」
「いらない」
リボンを丁寧に解いて瓶の蓋をひねり、その中から無作為に取り出した黄色の飴玉を口に含んだ。
パインかレモンか、何の味だろうかと、瓶に貼られたラベルを探して、底を見ようとひっくり返す。
そうすれば、ふと黒ペンで丁寧に書かれた手書きの文字に気付いてしまった。

